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耳鼻咽喉科
医療法人社団 遠藤耳鼻咽喉科医院
神奈川県足柄上郡開成町吉田島4364-4

TEL: 0465-82-3536

補聴器相談

日時:毎月2回(第2、第4の水曜 午後14:30~16:00)

補聴器相談

当院では専門業者と連携して、補聴器相談を承っております。試用器がありますので、興味のある方はお試し下さい。(試聴器の使用は無料です。)

実際に音を聞いてみて、「聴きよい」と感じれば、より聴力に応じた機種を作製すればよいでしょう。

すでにお持ちの方も、補修・電池交換・調整など、ほとんどのメーカー機種に応じられます。どうぞお気軽にお立ち寄り下さい。

補聴器作製のための補助制度についても、業者よりアドバイスの用意があります。

補聴器はつける「べき」?

つけるかどうか、結論から言って、「本人が決めること」です。どれだけ会話などに不自由しているか次第です。ですから、「このくらい聞こえが悪くなったら」という明確な境界線はありません。

軽い難聴でも、会議などが多くて不自由する方は積極的に検討してもよいでしょうし、程度がもう少しひどくても、本人が困らなければ必ずしも必要ありません。医者を含め周りの者が、「勧める」ことはあっても、「決める」ことではありません。ましてや押しつけるものでもありません。

しかし、外出時などに、聞こえが悪すぎて危険だったり、そういうことにあまりにも本人の自覚が薄いときは、周囲もなるべく勧めてあげるべきでしょう。(そのときも本人に「その気」がないと・・・)

迷っているなら、とりあえず試してみたら良いでしょう。「気に入る物があればもうけもの」、くらい気軽に試聴してみてください。

補聴器はうまくいかないことが多い?

簡単に適合する人ばかりではありません。まず、補聴器のことを「理解」しなくては、せっかくの高い買い物が無駄になってしまいます。

まず、あくまでも「機械」を通した音ですから、かつて「耳が良かった」頃のように聞こえるようにはならない、ということです。

補聴器を通じて聞こえる音に、自分から「慣れる」つもりがないとうまくいきません。補聴器の方も、調整によってある程度は各自(各耳?)に応じられますが、付ける側も「器械に歩み寄る」気持ちがなければなりません。

「本人のやる気」が大きく左右します。だから「本人が決めること」なのです。押しつけられても決してうまくはいきません。

「一大決心」とは言いません。ちょっとやってみようかな、という気持ちが必要なのです。

補聴器は、原則として「聞こえの良い側」に装用するものです。
「悪い側」に付けてバランスを取るような目的ではまずうまくいきません。

問題点

時に、時計店、眼鏡店、量販店などで補聴器を作製した方と遭遇しますが、そういう方々の中に、特に補聴器が無駄な買い物になっているケースが多いと思われます。理由はいくつかあげられます。

  • 難聴の質、原因を見極めない。
    「診断」は医療行為ですから、医療機関以外でできるはずがありません。難聴といってもいろいろです。
  • 安易に治療への選択が閉ざされる。

中には本来治療で良くなる可能性のある耳ですら、補聴器という選択肢しか与えられていなかった方も実際あります。中には、長年、耳アカが奥に堅く詰まってただけ、というケースも。治る可能性を少しも探ることなく、補聴器という高い買い物に走ってしまった実例をいくつも見受けてきました。

また、大型格安量販店・通販などによっては、適切な補聴フィッティングサポートのない「売りっぱなし」などの問題も、耳鼻科医の各種連絡会などで指摘されてもいます。

*「聞こえの悪い側」からの装着や、初めから「両側装用」ばかりを勧める業者は、基本知識が欠けています。悪意やひどい商売っ気であると疑ってかかるべきでしょう。

当院では、まず一般診療・検査を行います。
その上で治療の可能性、補聴器の是非を検討します。
受診の際は
保険証(及び、お持ちの方は各種医療券)をお持ち下さい。

ひとこと

補聴器に対する過度な偏見も、極端な期待もいけません。決して安くはない買い物ですから、より上手に使いこなす意識を持つよう努めて下さい。そうすれば、「高い買い物」にはならないのではないでしょうか。

もう一言

補聴器作製には、聴力レベルの重症度などによっては、一定の制限はありますが、補助制度があります。

身障者認定(聴力障害・・・一定以上の高度障害が認められれば、身体障害の認定を受けることができ、補聴器もその中で補助を受けることができるのです。)の書類や、その他補聴器助成のための診査票の作製には、定められた医師でなければなりません。

当院はこのために必要な認定(身体障害者福祉法指定医)を得ております。

身障者等級は、聴力レベルに応じて変わります。

詳しくは来院の上、お尋ね下さい。

適用を受けるためには、まず各市役所・町役場にご相談下さい。所定の書類が発行されます。

難聴について ≫

難聴について

「難聴」とは、聞こえ「にくい」状態を指します。
「少々聞こえにくい」から、「全く聞こえない」まで、程度はまちまちです。
しばしば、「難聴といわれたけど聞こえますよ」と怪訝そうにする方がありますが、「難聴」という言葉を、「全く聞こえない、という『病気』」として誤認されていることが少なくないようです。

たとえば、「(中耳炎にかかると)、難聴になってしまいますか?」と聞かれても答えようがありません。
中耳炎なら急性でも慢性でも、ある程度は聴力が落ちて当然です。
「中耳炎にかかった今、聞こえにくい状態」は、すなわち「難聴」です。

問題は、現在聴力が障害されている(=難聴)か、それが直るものか否か、進行するものか、ということが重要なのです。

聴力レベルの低下した状態を意味するだけであり、「難聴」という病気があるのではありません。
様々な病気としては、○○性難聴などと表現されるものです。

感音性難聴「音センサーの障害」

  • 音を感じ取るセンサー「内耳細胞」の機能低下による難聴です。一度壊れてしまうと再生しない性質の細胞のため、老化による劣化だけでも徐々に聴力は落ちるものです(「老人性難聴」)。何らかの病的原因で内耳細胞の障害が生じれば、その分難聴(感音性障害)は残ってしまいます。
  • 感音性難聴では、音が小さく聞こえる=「音量」が低く聞こえるだけでなく、「音質」が悪く聞こえるようになってしまいます。これがセンサーが少なくなっているための症状と考えてください。
    さらには、
    大きい音も聞き入れきれなくなり、正常の場合にはまだ許容範囲のボリュームでも、感音性難聴では「うるさく」聞こえます。「耳が遠いのに、音をうるさがる」という一見矛盾した現象は、こういう理由によります。
    感音性難聴の聞こえ方は、たとえば古くなったオーディオスピーカの音を考えてみればわかりやすいでしょう。音がしているのはわかるのに、きれいな音、はっきりした言葉として聞こえにくいという状態です。少々ボリュームが弱いとまるで聞こえない、しかし、ボリュームをすこし上げると、いきなり「音が割れ」てうるさく耳障りになります。
  • 残念ながら、急性の感音性難聴の早期を除き、聴力低下を「治療する方法」はありません。原則として補聴器→こちらへ)での聴力サポートで対策を立てるしかありません。
  • このとき、補聴器の音量を上げすぎると、上記の通り、耳として受け止めきれる「音量」の限界が下がっているので、「うるさく」感じやすくなってしまいます。「少し物足りない」音量レベルが至適音量と考えてください。

伝音性難聴「音の伝達路の障害」

  • 外界から、内耳という音センサーまでの音の伝達に障害があるための難聴です。耳垢が詰まるだけでも、耳栓をするだけでも、「伝音性」の聴力低下になるわけです。鼓膜が破れただけでも、音が中へ伝わりにくいので伝音性難聴になります。
  • 臨床的に問題とするのは鼓膜・耳小骨の病気の場合です。これには治療の余地が大いにあります。内耳がしっかりさえしていれば、音の伝導路を復活させることで理論的には聴力改善の可能性を含んでいるのです。原則的には手術による治療になります。

混合性難聴

伝音性・感音性がさまざまな程度で混在する状態。伝音性障害の成分に限っては、回復の余地があります。

耳鳴

聴力低下があると、その原因を問わず、「耳鳴り」は生じやすいものなのです。
それはともかくとして、聴力が何らかの理由で悪くなると、聞こえるようになってしまうのが耳鳴りなのです。聴力低下と耳鳴には表裏一体に近いものがあります。
つまり、「耳鳴から解放されるには、聴力の改善を図るしかない」という理屈になります。
正常聴力でも、生理的に一時的な耳鳴が起こることがあるのはほとんどの方に経験があるでしょう。正常でも、一過性の誤作動を起こすことはあります。これが「正常聴力者での耳鳴」です。
さらに伝音性難聴では、耳栓・耳垢による外耳道栓塞や他の病的な伝音障害により、外界の音が遠ざかるため、普段は気づかないような耳鳴りを自覚するようになることがあるのです。

厄介なのは、感音性難聴により慢性的に続く耳鳴です。先に挙げたように、感音性難聴は、急性の一部を除き、治らないからです。内耳の老化現象でも感音性聴力低下が起こります。
「耳鳴を治す薬か何かはないのか」とよく尋ねられますが、聴力の治療についてなら、難聴の質によってはあるものの、耳鳴だけ何とかするという直接的な方法は、残念ながらありません。
感音性難聴では、ダメージの溜まった内耳細胞が「誤作動」を起こしている、とでもイメージしてください。
再生できない細胞の障害ですから、聴力は回復できず、耳鳴も治すことはできないのです。

増悪因子

耳鳴りが、何か良からぬものではないかという不安感や、常に気にしてしまう精神状態が、「自覚症状」をひどくしてしまいます。

生活騒音など、今まではなんでもなくいられたものが、ある時何かのきっかけで気になるようになると、以来ずっと気になってしょうがない、という事例がよくあると思います。耳鳴りに対しても同じようなことが言えます。

耳鳴の変化(増悪)

本人の「自覚」自体の変化と、実際に聴力が変化したために耳鳴が出現したり元々の耳鳴りが変化したりということがあります。

後者の場合は、聴力に関して何らかの病的変化を来している可能性もあり、適宜診察を要します。